2月に入り厳しい寒さの日が続いており、「体が冷えて眠りたいのに眠れない!」「お風呂に入っても寝るまでに体が冷え切ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、冷え性の方必見の睡眠のポイントをご紹介します。
冷え性の方が眠れない原因
人は「深部体温(脳や内臓など、体の内部の温度)」が下がり、起床時に向けて明け方から徐々に深部体温が上がっていくメカニズムを持っています。この深部体温を下げるためには、体表面の温度「皮膚温」の上昇がカギになります。赤ちゃんは眠くなると手足がポカポカと温かくなると思います。私たちの体は手足の血流を増やすことで放熱し、深部体温を下げているためです。
しかし、寒さで手足かが冷えきっていると十分に血が通えないので、うまく熱を逃がすことができません。体の表面は冷えているのに、深部体温は高いままという、ちぐはぐな状態になっているのです。そのため、冷え性の人はなかなか眠れないのです。
冷え性の方がよく眠るためのポイント
では冷え性の方はどのようにすれば質の良い睡眠がとれるのでしょうか。「深部体温」と「皮膚温」をキーワードにいくつかのポイントをご紹介します。
① お風呂は40℃のお湯に肩まで15分浸かる
「40℃のお湯に15分」が睡眠の質を高めるのに一番いいといわれています。これは、40℃のお湯に15分かけて浸かることにより、体の芯までじっくり温めることで深部体温が上昇し、その反動で深部体温が下がり深部体温と皮膚温の差が縮まるタイミングでスムーズに入眠しやすくなるためです。お風呂に浸かるときも半身浴ではなく、肩までしっかり浸かる全身浴をするようにしてください。お風呂の換気扇も切って入っていただくとより身体が温まりやすくなります。
熱いお風呂が好きという方もいらっしゃると思いますが、40℃という熱すぎない温度もポイントになります。熱いお湯に浸かると、交感神経かが刺激されてしまい、ストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌されて、入眠後の成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうためです。
② お風呂上りは身体の表面が冷えないようにする
お風呂上がりは、足の裏から熱が逃げるのを防ぐため、必ず最初に靴下をはいてください。さらにレッグウォーマーや底が厚いルームシューズをはくのもおすすめです。体の表面が冷えてしまうと深部体温も下がりにくくなってしまうので、できるだけ冷えないように工夫しましょう。
③ モコモコ素材ではなく、通気性がよい天然素材のパジャマを着る
寒さ対策にと、暖かさを優先してモコモコ素材のパジャマを着て就寝していませんか?モコモコ素材のパジャマはポリエステルなどの化学繊維で作られていることが多く、温かさはあるものの吸湿発散性や通気性が劣っており、汗をかいてもそのまま蒸発できずに汗が冷えて寝冷えや肌のかぶれやかゆみの原因になってしまいます。
冬ならばそこまで吸湿発散性や通気性にこだわらなくてもいいような気もしますが、冬であっても寝ている間にかく汗はコップ一杯分とも言われています。そのため、冬であっても「通気性」はパジャマ選びにおいて大切なポイントになります。
汗を発散し通気性を確保するためには、綿などの通気性のよい天然素材のパジャマがおすすめです。綿だと寒いのでは?と思ってしまいますが、冬場は「生地の織り方」に気を付けてあげると通気性がよく、温かいパジャマを選ぶことができます。
例えば、三重ガーゼのパジャマや中綿が入っているキルトニットのパジャマは綿素材のものが多くでています。綿でできたネル素材のパジャマも通気性と温かさを両立できおすすめですが、ネル素材は生地表面が起毛しているので、寝返りをするときに毛布や布団が引っかかり寝返りがしにくいケースもあるので注意が必要です。
まとめ
冷え性の方が眠れないメカニズムから紐解くと、その対策法やなにをすればいいかが明確になります。お風呂の入り方、そしてお風呂を上がった後の行動やパジャマなどこの機会に見直してみてくださいね。