入浴は、睡眠の質をぐっと高めるチャンス!
でも睡眠に悩む方は、このチャンスを効果的に活かせていないケースが多いです。
本当は湯船に浸かったほうがいいとわかってはいても、やっぱり面倒でシャワーで済ませてしまうこともありますよね。

そもそも、なぜ湯船に浸かることが睡眠に良いのでしょうか?
人間は、体温が急激に下がるときに眠気が出てくることがわかっています。
お風呂に入ると、身体が温まるので逆に体温は上がってしまうのでは?と思いますよね。

確かにそうなのですが、実は、体温を一旦上げることで、そこからの体温低下が急激になり、眠気が出やすくなるのです。

また、身体が適度に温まると、手足など末端の血管が広がって血流が良くなります。
するとその血流に乗って、身体の芯の熱が外に逃げていき、体温は低下していくのです。
例えば子どもは、眠くなると手足がぽかぽかしてきますよね。これこそ、末梢の血管が広がって体温が下がっていっている状態です。

ですから、湯船に浸かるのは寝る時間の少し前にして、体温が下がっていくための時間を空ける必要があります。
寝る1時間半前にお風呂に入るとよい、と言われるのは、就寝時間に向けて体温を下げるためなのです。

また、熱すぎるお湯につかるのはNGです。
交感神経優位になり、血管が収縮して、熱がこもってしまいます。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に、15~20分程度浸かるのがおすすめですよ。

逆に、どうしても入浴が寝る直前になってしまう日は、あまり体温を上げないようにする必要があります。
このような場合は、シャワーで済ませるか、湯船に浸かる時間を短時間に留めると良いでしょう。

入浴はたしかにちょっと面倒に感じることも。
でも見方を変えると、湯船にゆっくり浸かるだけで、寝つきが良くなり、睡眠の質を高める効果が期待できるのです。
ぜひ、そのチャンスを逃さずしっかり活用してくださいね。