布団を重ねるだけではNG!冬場の快適な寝室環境は?

みなさんは快適な睡眠をとるための冬場の快適な寝室の温度を知っていますか?冬~春先の快適な寝室の室温は16~19℃、湿度は50%と言われています。眠りに入るとき、人は深部体温(脳や内臓など、体の内部の温度)が下がり、起床時に向けて明け方から徐々に深部体温が上がっていくメカニズムを持っています。しかし、真冬の寝室の室温は10℃を下回ることも。寝室が寒すぎると、いくら布団をたくさんかけていても、寒い空気が呼吸を通して体に入ってきてしまいます。そうすると肺が冷やされ、深部体温が下がりすぎてしまい、明け方に寒さで起きてしまったり、深部体温が上がり切らず寝起きが悪くなってしまう原因にも。

 

 

そのため、冬場は布団を重ねて暖を取るだけではなく、寝室全体の空気をある一定の温度(室温16~19℃)に保つことが重要なポイントです。まずは、寝室に温度と湿度がわかる温湿度計を置いて、睡眠環境の見える化をしてみてください。冬は空気も乾燥しがちなので、加湿器なども併用しながら湿度を50%前後に維持することも意識できるといいですね。私がサポートしているメジャーリーガーや五輪メダリストの選手の方には、遠征地にも温湿度計を持参してもらい、季節に合わせて理想的な寝室環境を保ってもらうようにしているぐらい、重要視している睡眠のポイントのひとつです。

 

冬の寝室環境は、窓から

とはいえ、昨今の電気代の値上がりや節電要請が求められている中、暖房を一晩中つけるのは少し考えもの、という方もいらっしゃいますよね。では、そのような場合どのようにして快適な寝室環境を作ればいいのでしょうか。
ここで意識してほしいポイントが、窓です!
日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及センターによると、部屋の中の温かい空気の52%は窓から逃げていってしまうそう。つまり、部屋の温かい空気が窓から逃げていかないようにすることができれば、防寒対策の効果が期待できるというわけです。
それでは、窓周りの工夫で部屋を暖かくするポイントを3つご紹介します。
① シャッターや雨戸は日が落ちる前に閉める
窓にシャッターや雨戸がついている場合は、太陽光が差し込む日中はガラス越しに明るさと暖かさを取り込むために開けておき、日が落ちる前に閉めるようにすると効果的です。閉めるのが遅くなってしまうと、日中に温まった空気が外に逃げてしまうので気をつけましょう。
② ヒーターを窓の下に置く
これは意外かもしれませんが、窓の下から入る冷気を効率よく温めて室内に循環させることによって、部屋全体を効率的に暖めることができます。さらに、窓ガラスが温かくなることで室温との極端な温度差が解消するので、結露を発生しにくくするという嬉しい効果もあります。
③ エアコンの風向を下向きにし、就寝前・起床前の30分部屋を暖める
前述の対策をした上で、就寝前・起床前は30分ほど暖房を使用し部屋全体を暖めましょう。もちろん一晩中暖房を使用して室温を16~19℃に維持するのが理想的ですが、電気代を考えるとちょっと難しい場合もありますよね。そのようなときに試してほしいのがこの方法です。就寝前・起床前の30分だけでも部屋が暖かくなり、入眠しやすく、起床しやすい環境を整えることができます。特に寒い日は寝起きが悪い、なかなか布団から出られない…という方は、起床30分前の暖房だけでもタイマーでセットしておくのがおすすめです。深部体温が上がりやすくなるので、寒い日でも起きやすくなるはずです。
また、冬にエアコンを使用する場合は、風向を下向きにするのも大きなポイントです。前述のように、温かい空気は上に溜まる性質があるので、風向を下向きにすることで部屋全体が暖まります。

 

 

まとめ

寒ければ布団を重ねればいい!というわけでなく、部屋全体でより良い環境を整えることが大切です。今回は寝室環境の温度にフォーカスしてお話しましたが、次回は寝室環境の湿度の保ち方についてもご紹介したいと思います。