前回は、温かく寝るための冬の寝室環境のコツを『室温』をメインにお伝えしました。今回は、『湿度』と『寝床内環境』をメインに温かく寝るためのコツをご紹介します。
冬の寝室はカラカラ!湿度を保つためのコツは?
冬~春先の快適な寝室の室温は16~19℃、湿度は50%と言われています。一見、湿度は睡眠の質に影響がないように思えますが、湿度が低く乾燥しすぎていると鼻や喉を痛めて睡眠の質が下がってしまいます。特に暖房を使用していると寝室の空気も乾燥するので、加湿器を使って寝室の湿度を保つようにしましょう。
加湿器を寝室に置けない方は、寝室に洗濯物や濡れたバスタオルを干したり、観葉植物を置いたりする方法も有効です。観葉植物を置くことで、植物が湿度をコントロールしてくれるという実験結果もあります。
毛布で背中側を断熱して寝床内環境を保つ
そして寝室環境と同じぐらい大切なのが、『寝床内環境(布団の中の温度・湿度)』です。寝床内環境を暖かく保つためには、同じ寝具を使っていてもその重ね方にポイントがあります。
① 毛布はかけるのではなく、身体の下に敷く
毛布を、羽毛布団と身体の間に掛けてお使いの方が多いのですが、
『羽毛布団―身体―毛布―マットレス(敷布団)』
の順番で重ねて、羽毛布団を直接身体にかけて毛布はマットレスや敷布団の上に敷く方法がおすすめです。その理由は、熱は背中側から逃げやすく、背中側から断熱をしてあげた方が布団の中の温度が下がりにくく暖かいからです。
メーカーや商品によって例外はありますが、毛布には表裏がありラベルがついている方が毛布の表になります。表側は毛足が長くて肌触りが良いので、マットレスに敷くときはこの表側が体側にくるように敷くのがポイントです。毛布の素材も吸湿発散性の高いウールやカシミヤなどの天然素材のものがおすすめです。
② どうしても寒いときは、羽毛布団の上に毛布をかける
しかし、冬本番になってくると羽毛布団だけでは寒いという方もいらっしゃると思います。毛布を背中に敷いただけでは寒いときは、
『毛布―羽毛布団―身体―毛布―マットレス(敷布団)』
にして、毛布を羽毛布団の上にかけるのがおすすめです。羽毛は体温で暖められることで、ダウンボールと呼ばれるタンポポの綿毛のような羽毛が大きく膨らみ、保温能力が発揮されます。体温が伝わりやすいよう身体に近いところに羽毛布団をもってきて、羽毛布団で保温された温かい空気を毛布で包み、身体の熱が逃げにくくするのがポイントです。
ただし、この場合ウールの毛布をかけてしまうとその重さで羽毛布団のかさが潰されてしまうので、化繊など軽めの毛布やタオルケットをかけるのがおすすめです。
また、羽毛布団の上に毛布をかける場合は毛布の裏側(ラベル側がついていない側)を羽毛布団側にしましょう。毛布の裏側は、繊維が短いので摩擦抵抗が大きく、毛布に接する布団がズレにくくなります。
③ 電気毛布やあんかの電源は寝る直前にOFFにする
寝床内環境を暖かく保つために電気毛布やあんかを使用する場合は、就寝直前に電源をOFFにするようにしましょう。寝ている間も暖かいままの方がよく眠れるのでは?と思いがちですが、足の裏から放熱をして深部体温をスムーズに下げてあげることが快眠のポイントになります。 就寝時に電気毛布やあんかを使用したままだと、足の裏からスムーズに放熱することができず、かえって汗が蒸発せずにそのまま冷えて寝冷えの原因になることもあるので、寝る直前に電源を切るようにしましょう。
まとめ
乾燥しがちな冬は寝室の湿度を適切に保つことも睡眠の質を確保する上で大切なポイントになります。また毛布も重ねる順番によって暖かさが変わります。寝具の素材の特性を活かして寒い冬を乗り越えましょう!