今まで、睡眠時間は7〜8時間がいいですよ!とお伝えしてきました。
では、とにかく7時間30分、1日のうちに寝たらいいのか?
実は、寝る時間も大切なんです。
私たちの身体は、夜に寝るように仕組みができています。
私たちの体内時計は、朝に目覚めて、日中に日の光を浴びて活動する、そして夜に眠りにつくようにできているのです。
ですから、明け方に寝る・・と言うよりは、夜の暗いうちに24時を超えない時間に寝る方がいいのです。
これは、睡眠の質にも大きく関わってきますので、意識していきたいところです。
一方、「早起きは三文の得」ということわざがありますが、実は「早起きは三文の損」という説もあります。東京医科大学で行われた研究では、1時間の早起きで生じる生産性の低下(0.14~0.26%)は、OECD平均賃金換算で年額8000~13500円程度となり、これは日額では約3文の損失に相当すると報告しています。
無理な早起きは心身および労働生産性に良い影響を与えません。健康的な生活を通じて生産性を維持するためには、「夜ふかししないこと」「無理に早起きしないこと」そして「良好な睡眠をとること」が重要であることが示されたのです。(1)
子供と大人の睡眠時間は一緒でいいでしょうか?
1-2歳児は11-14時間、3-5歳児は10-13時間、小学生は9-12時間、中学・高校生は8-10時間の睡眠時間を確保 することを、厚生労働省は推奨しています。
こ
うちの子たちも、小学生の時は21時には電気を消して寝ていました。
この小さな毎日の積み重ねが、子供の将来に大きな影響を及ぼすのです。
ここで、睡眠時間は必要と言われている時間より長く寝てるから大丈夫!と、思ったあなた!!
違うんですよ。
国立がんセンターの研究によると、睡眠時間が7時間のグループと比べて、10時間以上の睡眠時間では、死亡全体のリスクが、男性では1.8倍、女性で1,7倍高くなったというのです。循環器疾患死亡では、男性で7時間のグループと比較して9時間以上の睡眠時間でリスクが高くなったことも分かってきました。(2)
休日は、寝だめしているという方は、睡眠について見直していただきたいと思います。
寝だめといますが、決して睡眠の貯金ができているわけではありません。
あくまでも、睡眠負債への返済のみなのです。
睡眠時間について、まずしていただきたいことは
「朝、決まった時間に起きる」
これです。
いつもより遅い時間に寝た時は、朝起きることが辛いかもしれませんが、まずは同じ時間に起きてください。
日中眠くなる時は、20分程度の昼寝をしてください。
昼寝の習慣は、睡眠不足で起きた脳へのダメージを回復させる可能性があると言われており、脳の健康を維持することに役立つ可能性も示唆しています。(3)
昼寝で、脳をリフレッシュしましょう!
睡眠時間のススメ
・毎日決まった時間に起きること
・20分から30分程度の昼寝
さあ、早速取り入れてみてくださいね!!
(1) SHIMURA, Akiyoshi, et al. On workdays, earlier sleep for morningness and later wakeup for eveningness are associated with better work productivity. Sleep Medicine, 2022. in press. https://doi.org/10.1016/j.sleep.2022.03.007
(2) https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8490.html
(3) https://www.sleephealthjournal.org/article/S2352-7218(23)00089-X/fulltext
参考図書:⻄野精治「スタンフフォードの眠れる教室」幻冬社
クルスティアン・ベネディクト ミンナ・トゥーンベリエ
「Sleep,Sleep,Sleep」サンマーク出版
メンタリスト DaiGo「賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る」リベラ
マシュー・ウォーカー「睡眠こそ最強の解決策である」SB Creaitive
脳科学者茂木健一郎「眠れなくなるほど面白い脳の話」日本文芸社
秋山信子「学力も運動能力もアップする!小学生のための快眠法」BLA出版