「夜なかなか寝付けない」
「眠りが浅く、ぐっすり眠れた感じがしない」
もしそう感じることがあるなら、普段何気なくとっているコーヒーやお茶に含まれるカフェインが、影響している要因の一つかもしれません。

どうしてカフェインを摂ると眠りに影響するの?
眠いときにコーヒーを飲むと、少しすっきりすることはありませんか? これは、コーヒーに含まれるカフェインに、眠気を感じにくくする働きがあるためです。
この働きには、「アデノシン」という物質が関係しています。
私たちの脳では、起きて活動している時間が長くなるにつれて、アデノシンの働きなどによって眠気が高まっていきます。
カフェインは、このアデノシンが働くのを妨げるため、眠気を感じにくくします。

ただし、眠気が和らいだように感じても、体に必要な睡眠がとれたわけではないので注意が必要です。
このアデノシンをブロックするカフェインの影響が続いていると、寝つきが悪くなったり、睡眠時間が短くなったりすることがあります。影響の強さや持続時間には個人差があり、摂取する量や時間帯によっても異なります。
また、カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶、エナジードリンクなどにも含まれています。「コーヒーは控えているから大丈夫」と思っていても、知らないうちに摂取していることがあるため、普段飲んでいるものを振り返ってみるといいかもしれませんね。

カフェインのとり方のポイント
・カフェインを摂る時間を見直す
夕方以降にコーヒーやお茶を飲む習慣がある人は、少し早い時間に飲むようにしてみましょう。カフェインの影響時間については諸説あり、2時間から8時間と言われることが多いですが、人によっては10時間続くとも言われています。
寝る時間から逆算して、カフェインをとる時間を意識してみましょう。
・飲む量や回数を意識する
カフェインの影響は、飲む量や体質によって異なります。厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人のカフェイン摂取量は1日400mgを超えないことが目安として示されていますが、それより少ない量でも眠りに影響することがあります。
しかし、カフェインの影響は個人差が大きいので、一概にこの量と言い切れないのが現状です。
そのため、眠りが浅かった日や寝つきにくかった日は、コーヒーやお茶を飲んだ時間と量を振り返ってみましょう。自分の睡眠の変化を観察しながら、飲み方を工夫してみることが大切です。

・カフェインレスの飲み物を活用する
夕方以降や就寝前には、麦茶やルイボスティー、白湯など、カフェインを含まない飲み物を選ぶのもおすすめです。
コーヒーの香りや味わいが好きな人は、カフェインレスコーヒーを取り入れてみるのもいいですね。ただし、カフェインレスでも微量のカフェインが残っている製品があるため、気になる場合は表示を確認しましょう。

無理に好きな飲み物をやめるのではなく、時間帯に合わせて選び分けることから始めてみませんか。

好きな飲み物を楽しみながら、心地よい眠りへ
コーヒーやお茶には、ほっと一息つける楽しみもあります。
大切なのは、カフェインを完全に避けることではなく、自分の体調や睡眠の状態に合わせて、量や時間帯を工夫することです。
「午後のコーヒーを少し早めてみる」「夜はカフェインレスの飲み物にしてみる」あなたのできることから始めてみませんか?
毎日の小さな工夫が、心地よい眠りにつながるかもしれません。

 

片野秀樹「休養の超基本」朝日新聞出版
林悠「明日が変わる睡眠の科学大全ナツメ社
トキオ・ナレッジ「睡眠にいいこと超大全」宝島社
キム・ジョーンズ「最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211」文響社
櫻井武「睡眠の新常識」新星出版社
厚生労働省厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』