眠って「感情」をととのえる
ズバリ!ストレスはレム睡眠で処理されるのです。
皆さんは、レム睡眠とのノンレム睡眠という言葉をご存知ですか?
『「黄金の90分」ってどういうこと?』でもお話ししていますが・・
覚えてない?(よかったら、投稿記事をさかのぼってみてね〜)
ざっくりいいますと、レム睡眠は、浅い眠りのことであり、夢を見ている時間がここにあたります。ノンレム睡眠は、深い眠りであり、起こしてもなかなか起きない状態です。私たちの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返すことによって、質のいい睡眠となっているのです。
ちょっと余談ですが・・京都にある脳情報研究所で行われた研究で睡眠中に見ていた夢をMRIで撮影した画像から約60%を正確に解読できたという発表がありました。技術の進歩ってなんかすごいですよね〜。(※1)
さて、本題に戻りましょう。
レム睡眠により、自分の感情とうまく付き合うことができ、それによってメンタル的なバランスがとれていると言っても過言ではありません。
恐いことがあった日、不安になりながら寝たとしても、翌朝にはすっきりしていた・・なんて経験はありませんか?
これは、レム睡眠の時に感情の中枢である脳の扁桃体(左脳、右脳に一つずつあります)が、感情と結びついた記憶を解き放つからなのです。
感情は脳で生み出されます。その中でも、好き、嫌い、恐怖や不安などの動物的な感情は扁桃体が深く関わっています。起きている間の刺激が扁桃体に集まります。扁桃体は、過去の経験(記憶)と比べて好きか嫌いか、恐いか恐くないかといった判断をくだします。その判断が身体に伝わって、顔を引きつらせたり、逃げ出したり・・といった行動をとるのです。本能的とも言えますね。
驚くことに、レム睡眠の時にこの扁桃体の活動が、起きている時よりもなんと30%も活動量がアップするんです!!そのおかげで、経験をした時の恐怖の感情が削ぎ落とされ、経験した記憶が残ります。そうして、恐い経験から恐さが少しずつ消えていく・・という仕組みなのです。
もし、この機能がなければどうなるでしょうか?
積み重なった恐怖で押し潰されてしまうかもしれません。
私達は、寝ることによって感情を整え、翌日も安定した気持ちで過ごすことができるのです。
昔から、時間が心の傷を癒してくれる・・と言いますが、このなかに睡眠が含まれているに違いないと思うのです。
(※1)Neural decoding of visual imagery during sleep.
T. Horikawa, M. Tamaki, Y. Miyawaki, Y. Kamitani
Science, 340, 639-642 (2013)
参考図書:⻄野精治「スタンフフォードの眠れる教室」幻冬社
クルスティアン・ベネディクト ミンナ・トゥーンベリエ
「Sleep,Sleep,Sleep」サンマーク出版
メンタリスト DaiGo「賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る」リベラ
マシュー・ウォーカー「睡眠こそ最強の解決策である」SB Creaitive
毛内拡「今と未来がわかる脳と心」ナツメ社