「栄養不足」と聞くと“食べる量が少ない”イメージがあるかもしれませんね。一般に栄養不足とは 「必要な栄養素が体の働きに対して足りない状態」になります。
カロリーは足りているが、栄養素が足りない「かくれ栄養不足」も栄養不足なのです。
バランスよく食べていない場合ですね。見た目が普通でも起こりうる、わりと身近な状態です。
十分、バランスよく食べているのに・・という方もいると思います。ストレスや消化機能の低下、腸内環境の乱れによって身体に取り込めない場合も、栄養不足となるのです。栄養不足を改善するにも、睡眠でしっかりと身体のメンテナンスをしておきたいですね。

ビタミン不足と睡眠
ビタミンが不足すると、寝つきが悪くなる、眠りが浅くなる、日中の眠気など、さまざまな睡眠トラブルにつながります。ビタミンの栄養不足は、睡眠ホルモンのメラトニンは、ビタミンB群が生成を助け、メラトニンを作る原料となるしあわせホルモンのセロトニンは、ビタミンCが必要となります。ビタミンDは、セロトニンやメラトニンの生成に関わっているだけでなく、体内時計の調整に関与しています。
冬に不足しがちなビタミンは、
・ビタミンB群
・ビタミンC
・ビタミンD
冬に気をつけたいのは、特にビタミンD。冬は、日照時間が短いので日光を浴びる時間が短くなることが、ビタミンDが不足する大きな理由です。ビタミンDは、お日様を浴びると作られますが、きのこ類やサーモンやイワシに含まれています。ビタミンDが不足すると、免疫力が低下するのでインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなるので、睡眠だけでなく体調にも大きく関わります。
栄養不足は、さまざまなところに関わってきますね。
食物繊維不足と睡眠
腸活に欠かせない印象の食物繊維ですが、実は睡眠にも影響しています。
睡眠の質を測定したアメリカの研究では、食物繊維の摂取量が少なく、飽和脂肪酸と糖分の摂取量が多いと、睡眠が浅くなり、覚醒回数が増える傾向にあったと報告されています。
腸活で腸内環境をととのえることは、睡眠に大きく影響します。食物繊維は腸内細菌の餌となり、善玉菌が増えることで、セロトニンが作られやすくなります。このセロトニンがメラトニンになるわけですから、食物繊維をとることは大切になります。
それだけでなく、食物繊維を腸内細菌が発酵すると、短鎖脂肪酸が作られます。この短鎖脂肪酸は、体内時計の安定化に働きかけます。それだけでなく、自律神経の調整にも関わっています。
実は、食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維とは、水に溶けないタイプの食物繊維のことで、水を吸ってふくらみ、腸の動きを活発にして排便を促すはたらきがあります。
また、水溶性食物繊維は、水に溶けるタイプの食物繊維のことです。水を含むとゲル状になり、胃や腸でゆっくりと消化管を移動し、糖の吸収を緩やかにしてくれる性質があります。
この水溶性食物繊維には、海藻やこんにゃく、納豆、豆類などがあります。睡眠をよくしたいなら、水溶性食物繊維を意識して摂りましょう。

栄養不足と睡眠
ビタミンや食物繊維以外の栄養不足も、睡眠ホルモンの材料不足にもなり、自律神経の乱れにもつながります。それによって、寝つきの悪さ、睡眠リズムの乱れ、ぐっすり眠れないなどさまざまな睡眠障害を起こします。
夜間、こむら返りをするのは、マグネシウム不足、ムズムズ脚の原因は、鉄不足、ぐっすりと寝た気がしないのは、たんぱく質不足の可能性を指摘されています。最近、やたらとイライラする、不安が強く眠りにくいなら、亜鉛不足かも・・いろいろと睡眠改善をしているけど、うまくいっていないと感じたら、食事の見直しをしてみるのもいいですね。

まとめ
年末が近づき、なかなかゆっくり食べる時間がないかもしれません。けれど、片手で食べられるものばかり摂っていると栄養不足となり、あなたの睡眠の質に大きく関わってきます。冬の体調管理には、ビタミン補給が重要ですが、そのほかの栄養素もまた重要です。栄養不足は、いいことはありません。
「食べたもので身体は作られる」と言いますが、身体にいい食事は、睡眠にもいいのです。メニューに迷ったら、定食を選んでみてくださいね。
今夜は、具沢山の野菜スープはいかがでしょうか。栄養不足を改善してくれること、間違いなしです。
脳神経外科医 奥村渉「脳のゴミを洗い流す「熟眠習慣」」すばる舎
マシュー・ウォーカー「睡眠こそ最強の解決策である」SBクリエイティブ株式会社
トキオ・ナレッジ「睡眠にいいこと超大全」宝島社
柳沢正史監修「いまさら聞けない睡眠の超基本(ビジュアル版)」朝日新聞出版
東京大学大学院・医学博士 酒谷薫「自分でできる!熟眠脳のコツ」ビジネス社
Marie-Pierre St-Ongeら2016,Fiber and Saturated Fat Are Associated with Sleep Arousals and Slow Wave Sleep

