最近、よく耳にする「睡眠の質」。では睡眠の質ってどういうことでしょう。
睡眠の質がいいと、いいことは沢山あります。その一つ、脳のゴミを洗い流す効果があります。脳のゴミといわれるアミロイドβ(ベータ)は認知症の原因とされます。年齢に関わらず、最近物忘れがひどくなったと感じている方も、睡眠不足の可能性がります。このアミロイドβは、アルツハイマー型認知症の原因でもあります。
しかも、睡眠不足はほろ酔いと同じ状態とも言われます。そりゃ、パフォーマンスも下がるというもの。
「ぐっすり眠れた!」そんな朝を、毎朝むかえたいですね。
それでは、あなたの脳をメンテナンスする3つの方法についてお話していきましょう。

時間

日本は、世界ワーストレベルの睡眠不足と言われています。
忙しくなると、つい寝る時間が遅くなります。これによって、睡眠時間は短くなってしまいます。
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠とがあります。
ノンレム睡眠は、脳も休息し、脳のゴミであるアミロイドBを出してくれる時間になります。揺さぶり起こしても起きないのがこの睡眠のタイミングになります。一方、レム睡眠では脳は活発に働いており、記憶の整理や記憶の定着を行っていますが、実は身体はもっとも休まる時間にあんります。ノンレム睡眠もレム睡眠のもどちらも必要なす移民になります。
ノンレム睡眠には、3つの眠りの深さがあり、眠りはじめの1時間で一気に3段階の一番深い眠りに入ります。その後徐々に眠りが浅くなっていき、レム睡眠となります。その後再びノンレム睡眠へ、そしてレム睡眠へと移行します。個人差はありますが、このサイクルが90分程度かかると言われています。この90分のノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルが、一回の睡眠で3回らから5回繰り返され、目覚めます。レム睡眠のタイミングで目が覚めると、スッキリした目覚めになります。
90分のサイクルを5回繰り返すと、450分、つまり7時間30分になります。
しかし、必要な睡眠時間は、体質や年齢など個人によっても、季節によっても異なります。これだけ寝ればいいという指標はなかなか難しいのが現状です。
「日中に眠気に困らなければ足りている」と判断いただいたらいいでしょう。
ここで大切なことは、寝るための時間を確保する意識です。1日は24時間。その時間をどう使うのか、一度振り返ってみてはどうでしょうか。

 

時間糖質

私たちの身体を動かすためにエネルギー源となる糖質。
糖質は、ごはんや、麺類などの炭水化物に多く含まれています。
しかし、摂りすぎてしまうと身体には負担となります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症の原因となるとお伝えしましたが、糖尿病や血糖が高い方は、このアミロイドβが脳に蓄積されてしまうからなのです。
夕食に糖質を多く食べてしまうと、血糖値が上がります。血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるのは、食物繊維です。ご飯の食べはじめはぜひ野菜から!
また、寝る前にたくさん食べてしまうと、消化するために胃腸が働きます。
胃腸を働かせるのに、自律神経の交感神経が優位になります。交換神経は、身体を動かす神経です。そのために、夕ご飯をたくさん食べることや、寝る前に夕食を食べることは眠りが浅くなるのです。

 

運動

運動が身体にいいことを知っている方は多いことでしょう。
実は、運動はアミロイドβの蓄積を少なくさせることが研究で明らかにされています。1)
高齢者を対象に調査したところ、1日30分以上、週5日以上の運動習慣があると睡眠の悩みが少ないことが判明した報告もあります。
運動というと、ジムに通うとか、ジョギングとか想像するかもしれません。
あまり激しい運動は、逆に睡眠の妨げになります。
時速3〜5kmくらいのスロージョギング。体力がない人でも気軽にチャレンジできそうですよね。
しかも、このスロージョギングは、ウォーキングよりなんと!消費エネルギーは2倍!!睡眠とダイエットの一石二鳥となりますね。
でも、いきなり30分は・・という場合は、10分程度のスロージョギングを3回してみてはどうでしょうか。

まとめ
頭をすっきりさせる睡眠のキーワードは、アミロイドβをためないこと。
質のいい睡眠へつながる習慣はたくさんあります。
習慣として続けることができることが一番です。
まずは、できそうなことから始めてみてはどうでしょうか。
睡眠が変われば、身体が変わることは間違いなし!

1)https://core.ac.uk/reader/235174610
脳科学者茂木健一郎「眠れなくなるほど面白い脳の話」日本文芸社
脳神経外科医 奥村渉「脳のゴミを洗い流す「熟眠習慣」」すばる舎
東京大学大学院・医学博士 酒谷薫「じぶんでできる熟眠脳のコツ」ビジネス社